イデア・パートナーズ法律事務所
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破産申立のための書類

資産目録(一覧・明細)の作成方法

自己破産の申立書に資産目録を添付して申立てをする必要があり、書式としては一覧と明細に分けられています。

一覧では全16項目の資産について質問形式で「有」・「無」のいずれかを回答し、明細では、一覧で「有」と回答した項目につき、それぞれの具体的内容を説明します。

資産目録に記載する項目とそれぞれのポイントやご注意事項は下記の通りです。
(平成29年4月1日改訂 即日面接通信vol.6を参照)

1. 申立て時における33万円以上の現金

申立て時に33万円以上の現金の有無を回答します。33万円以上の現金がない場合にも、資産目録(明細)に申立て時に所持している現金の全額を正確に記入する必要がございます。

ポイント

申立て時において有している現金の額をその多寡を問わず正確に記入します。なお、こちらには、自宅等で貯金しているような、いわゆる「タンス預金」も含まれます。
直近の家計収支表に収支と支出の合計の差(剰余)が33万円以上ある場合は、33万円以上の現金を有していることが考えられます。直近の家計収支表に33万円以上の剰余はあるが、申立て時には33万円以上の現金がないという場合には、その具体的理由や使途について記入する必要がございます。

2. 預金・貯金

ここでいう預金・貯金とは、金融機関等に預け入れている預金・貯金口座のことを指し、過去2年以内に保有した預金・貯金口座について回答します。明細では、金融機関・支店名、口座の種類、口座番号、申立て時の残高をそれぞれ記入します。

ポイント

ネットバンクを含む債務者名義の預貯金口座を記入
申立て前1週間以内に記帳した結果に基づいて、その残高及び通帳記帳日を記入します。残高が0円であった場合も、その旨を記入します。
債務者が親族等の他人名義で貯蓄している預貯金も記入
例えば、名義人である親族等の資産・収入のみではなく、債務者の資産・収入をも原資としている預貯金がある場合には、債務者名義の預貯金と同様に記入します。
通帳のコピーの提出方法
表紙・中表紙を含めた普通預金の記帳部分全部をコピーして提出します。通帳が総合口座等、普通預金以外の預金が記帳されるものである場合は、定期預金、積立預金等の1頁目及び記帳ある頁全部もコピーして提出します。記帳部分の最終頁が最終行まで記帳されている場合は、次頁もコピーして提出します。
過去2年分の出入金がすべて記帳されていることが必要
提出する通帳には、過去2年分の出入金がすべて記帳されている必要があります。通帳が2年以内に繰り越されている場合は、繰越前の通帳のコピーも提出します。
通帳の写しを提出できない預貯金は取引明細を取り寄せる
例えば、通帳を紛失した場合、ネットバンクで通帳のない場合等や、通帳に一括記帳部分(長期間記帳しなかったため複数の出入金が合算して記帳されている部分)がある預貯金口座については、必ず取引明細を取り寄せて提出してください。
すべての預貯金口座の通帳のコピーを提出
給与や公的扶助の振り込み、ローンの返済、公共料金の引落し等で利用している預貯金口座の通帳のコピーも提出する必要がございます。
普通口座以外の定期預金や当座預金について
普通預金口座のみならず、定期預金や当座預金等の口座も提出します。特に普通預金口座にマイナス残高の記帳がある場合は、担保となっている定期預金がある可能性がありますので、注意が必要です。
定期預金等への出金や他の金融機関への振込みがある場合
普通口座において、定期預金等への出金や他のネットバンクを含む金融機関の口座への振込み等がある場合は、これらの出金先・振込み先の口座の通帳についても提出します。
高額の出金がある場合
通帳に高額の出金がある場合には、その具体的事情(出入金の趣旨、使途等)を説明する必要があります。また、通帳の出入金に相手方の記載があるもの(給与振込みや公共料金等であることが明らかな場合を除く。)がある場合も、その具体的事情(債務者と相手方との関係や出入金の趣旨、使途等)を説明します。

該当する場合に提出する書類

※ 預貯金は,解約の有無及び残高の多寡は問われません。

3. 公的扶助(生活保護、各種扶助、年金等)の受給

公的扶助を受給している場合は、その種類と金額(1カ月に換算)、開始時期、受給者の名前をそれぞれ記入します。

ポイント

生活保護については、受給開始時期を必ず記入しなくてはなりません。また、世帯主が世帯単位で生活保護を受給している場合には、世帯員である債務者についても生活保護を受給していることになります。つまり、保護決定通知書の宛名が世帯主のみであっても、世帯員である債務者も生活保護を受給していることになりますのでご注意ください。

該当する場合に提出する書類

公的機関から発行される各公的扶助の受給決定書や受給証明書の写し

4. 報酬・賃金(給与・賞与等)

公自己破産申立て時に勤務先から報酬・賃金が発生している場合には、「報酬・賃金」への記入が必要となります。ここでは、報酬・賃金の種類(給与や賞与等)、支給日、支給額をそれぞれ記入します

ポイント

月払の給料は、毎月〇日と記入します。
賞与は、直近の支給日を記入します。

該当する場合に提出する書類

最近2カ月の給与明細及び過去2年度分の源泉徴収票又は確定申告書の控えの各写し
※源泉徴収票のない人、確定申告書の控えのない人、給与所得者で副収入のあった人または修正申告した人は、これらに代え、又はこれらとともに、課税(非課税)証明書を提出します。

5. 退職金請求権・退職慰労金

ご勤務先に退職金制度がある場合には、「退職金請求権・退職慰労金」への記入が必要です。ここには、種類、総支給額(見込額)、8分の1(4分の1)相当額をそれぞれ記入します。

ポイント

正社員等の退職金の支給があり得る雇用形態で勤務されている場合、退職金の有無及び見込額を必ず確認してください。
退職金の支給がある場合には、自己都合で退職する場合の退職金見込額(0円の場合も含む。)の証明書を勤務先から入手した上で、退職金見込額及び見込額の8分の1の金額を記入します。なお、 既に退職した場合、または近く退職予定の場合は4分の1の金額を記入します。

該当する場合に提出する書類

※上記いずれも困難な場合は、勤務先における従来からの退職金の支給実績等の事情を勤務先や上司、同僚等から詳細に聴取する等の方法により、退職金の有無及び額を確認してください。

6. 貸付金・売掛金等

貸付金・売掛金等の請求権がある場合は、こちらの欄で相手方の名前,金額,発生時期,回収見込額及び回収できない理由を記入します。なお、金額と回収見込額の双方を記入する必要があります。

ポイント

回収見込みがない債権
回収見込みがないとする具体的理由を記入します。
債務者が、会社代表・役員、会社代表者の親族、親族が経営する会社の従業員等であったことがある場合
当該会社等に対する貸付金、求償金等の有無を確認してください。会社の会計帳簿等に、債務者からの借入金、仮受金等の記載がないかも確認してください。
債務者が保証人・連帯債務者であり、保証・連帯債務を履行したことがある場合
主債務者・他の連帯債務者に対する求償権が生じますので、その有無及び回収可能性を確認してください。
債務者が事業者で事務所・店舗等を賃借していた場合
精算・回収していない敷金・保証金等の有無、及びその金額を確認してください。
現在または過去に給与所得者である場合
労働者健康安全機構による立替払が予定されているものを含め、未払給料等がないかを確認してください。

該当する場合に提出する書類

7. 積立金等(社内積立、財形貯蓄、事業保証金等)

社内積立、財形貯蓄、事業保証金等の積立金がある場合は、種類、金額及び開始時期を記入します。なお、給与明細等に財形貯蓄等の計上がある場合もこちらに記入します。

ポイント

社内積立、財形貯蓄、積立年金、事業保証金等がある場合は、勤務先等からの資料に基づき、その内容を確認してください。
給料明細の中の「社内積立」、「財形貯蓄」等の記載の有無を確認し、他に積立金等がないかを確認してください。
通帳の中の積立金(互助会等の積立ても含む。)の引き落としの記載の有無を確認し、他に積立金等がないかを確認してください。

該当する場合に提出する書類

8. 保険(生命保険、傷害保険、火災保険、自動車保険等)

申立人が契約者で,未解約のもの及び過去2年以内に失効したものを記入します。なお、出資者が債務者か否かは問われません。ここでいう保険とは、民間の任意保険となるため、国民健康保険や労働保険、自賠責保険等の記載は不要です。
民間の任意保険に過去2年以内に加入している場合は、こちらに保険会社名、証券番号、解約返戻金額を記入します。

ポイント

債務者が契約者となっている保険・共済等は、保険料等を誰が支払っているかにかかわらず、すべてを記入してください。
親族等の他の者が契約者となっている保険・共済等の中に、債務者の収入・資産から保険料等を支払っているもの(現在又は過去に保険料の一部分でも支払っているものも含まれる。)がある場合は、債務者が契約者である保険と同様に記入してください。
保険について契約者貸付けを受けている場合は、保険会社作成の証明書等に基づき、貸付を受けた時期及び金額(残債務額)を付記してください。
預貯金通帳の中の保険料等の引落しの記帳の有無を確認し、他に保険・共済等がないかを確認してください。また、預貯金通帳に記帳された保険料等の支払額・回数と、記載した保険・共済等の種類・口数が合致しているかを確認してください。
確定申告書の控え、源泉徴収票又は給料明細の中の「生命保険料控除」の記載の有無を確認し、他に保険・共済等がないかを確認してください。
解約返戻金等の有無及び額は、申立て直近に発行された証明書等に基づき確認してください。申立て時の解約返戻金の有無及び額を正確に確認し得る資料を徴求してください。
解約した保険がある場合には,20万円以下であっても,「12 過去2年間に処分した財産」に記入してください。
返戻金が20万円以下の場合も全て記入します。
源泉徴収票,確定申告書等に生命保険料の控除がある場合や,家計や口座から保険料の支出をしている場合は,調査が必要となります。

該当する場合に提出する書類

9. 有価証券(手形・小切手、株式、社債)、ゴルフ会員権等

自己破産申立て時点において有価証券やゴルフ会員権を持っている場合は、種類、取得時期、担保差入の有無、及び評価額を記入します。

ポイント

証券会社等に口座を開設しているかを確認し、現在の有価証券の保有や、過去の有価証券の売買内容や代金の使途等を確認してください(20万円以上の有価証券の売買や口座からの引き出しについては、その確認結果を11又は12に記入してください。)。
預貯金通帳の中の証券会社への入金等の記帳、給料明細等の中の社内持株会への控除等の記載の有無を確認し、他に株式等を保有していないかを確認してください。

該当する場合に提出する書類

10. 自動車、バイク等

自動車、バイクを所持している場合は、車名,購入金額,購入時期,年式,所有権留保の有無及び評価額を記入します。

ポイント

自動車、バイク等を有している場合は、自動車検査証又は登録事項証明書を徴求して確認してください。
債権者一覧表の中の自動車購入に係る借入れの記載、家計収支表の中の駐車場代やガソリン代の支出の記載、預貯金通帳の中の自動車損害保険料や日本自動車連盟(JAF)会費の引き落としの記載等の有無を確認し、自動車を有していないかどうかを確認してください。
所有権留保が付されている自動車については、被担保債権額及びオーバーローンではないかを確認してください。
家計全体の状況に駐車場代・ガソリン代の支出がある場合は,調査が必要です。

該当する場合に提出する書類

11. 過去5年間において、購入価格が20万円以上の財産

過去5年間において、購入価格が20万円以上の財産があるばあいは、品名、購入価格、取得時期及び評価額(時価)を記入します。

ポイント

貴金属類、美術品、パソコン、着物、その他の物について、その保有の有無及び評価額(時価)を確認してください。
債権者一覧表に「B」(物品購入)と記入してください。

該当する場合に提出する書類

12. 過去2年間に換価した評価額または換価額が20万円以上の財産

過去2年間に換価した財産で、評価額又は換価額のいずれかが20万円以上の財産は全て記入します。例えば、不動産の売却,自動車の売却,保険の解約,定期預金の解約,過払金の回収等が該当します。財産の種類、換価時期、評価額、換価額、相手方、使途をそれぞれ記入します。

賞与の受領、退職金の受領、敷金の受領、離婚に伴う給付等によって取得した現金についても、取得時期、取得額、使途を記入します。

ポイント

過去2年間に換価した財産で20万円以上の価値があるもの(不動産、自動車の売却、定期預金・保険の解約、過払金の回収等)について、その有無、評価額、換価に関する明細及び使途等を調査してください(なお、保険については、解約返戻金が20万円未満のものについても、参考として記載してください。)。
債権者一覧表の「使途」欄に「住宅ローン」に記載されたものについて、当該不動産の換価の有無を確認してください。
過去2年間に回収した過払金(回収して既に費消した分を含む。)があり、回収額が合算して20万円以上である場合は、その明細を記入してください。
過去の勤務先について賞与受領の有無、過去の勤務先(陳述書の勤務歴に記載されています。)について退職金受領の有無を確認し、20万円以上受領している場合は必ず記入してください。
債務者に離婚歴がある場合には、離婚給付(慰謝料、財産分与又は扶養料)や子の養育費の支払又はその約束の有無を確認してください。

該当する場合に提出する書類

13. 不動産(土地・建物・マンション等)

自己破産申立て時に不動産を所有している場合は、不動産の所在地、種類(土地・借地権付建物・マンション等)を記入します。共有等の事情は、備考欄に記入します。なお、これらには遺産分割未了の不動産も含みます。

ポイント

同時廃止を希望する場合には、所有不動産が1.5倍以上のオーバーローンになっていることが必要です。被担保債権の残額(不動産の全部事項証明書記載の被担保債権額や極度額ではなく、債権調査により判明した残債務額)を、不動産の時価(信頼のおける不動産業者2社の査定書(例えば、大手不動産業者2社や、大手不動産業者1社及び地元の有力業者1社等。固定資産評価証明書は不可。)による評価額の平均値)で除した値を算出して、1.5倍以上になっているかを確認し、その結果を「オーバーローン上申書」に記入してください。
所有不動産が借地権付建物(使用貸借等を含む。)である場合には、建物の評価額のみならず、借地権価格の評価額も加えた時価を確認する必要があります。
債務者所有の不動産が共有不動産である場合に、不動産全体に抵当権が設定されている場合には、被担保債権の残額を不動産全体の時価で除して算定する必要があります。被担保債権の残額を債務者の共有持分だけの時価で除して算定することの内容にしてください。
債権者一覧表の「使途」欄に「住宅ローン」との記載がある場合は、現在も不動産を所有しているかを確認してください。

該当する場合に提出する書類

14. 相続財産

自己破産申立て前に相続を受けたことがある場合は、被相続人、続柄、相続時期及び相続した財産を記入します。なお、遺産分割未了の場合も含みます。

ポイント

相続財産(遺産分割未了のものも含む。)がある場合は、相続関係の調査を行った上で、相続した財産の内容及び評価額等を確認してください。
これまでに親族が死亡して相続が生じている場合には、相続財産をすべて確認してください(不動産以外にも、現金、預貯金、保険等の相続財産がないかを確認してください。)。
被相続人名義で登記されたままの不動産等の相続財産がないかを確認してください。

該当する場合に提出する書類

15. 事業設備、在庫品、什器備品等

自己破産申立て時に、個人事業の事業設備・在庫品・什器備品がある場合は、品名、個数、購入時期及び評価額を記入します。

ポイント

事務所・店舗等の明渡しが未了の場合は事業設備等の残置がされているものがないか、他方で、事務所・店舗等の明渡しが済んでいる場合も、債務者の自宅やトランクルーム等に保管している事業設備等がないかを確認の上、該当する場合は記入します。

該当する場合に提出する書類

16. その他、破産管財人の調査によって回収が可能となる財産

1.~15.に記載してきた財産のほかに、自己破産申立て時において、回収・換価の可能性がある財産が存在する場合には、「その他、破産管財人の調査によって回収が可能となる財産」に相手方の氏名、名称、金額及び時期等を記入します。現存していなくても回収可能な財産は、同時破産廃止の要件の認定資料になります。債務者又は申立代理人によって回収可能な財産のみならず、破産管財人の否認権行使によって回収可能な財産も破産財団になります。ほかの項目に該当しない財産(敷金,過払金,保証金等)もここに記入します。

ポイント

【過払い金に関して】

消費者金融業者等からの借入れがある場合には、取り寄せた取引履歴に基づき利息制限法所定の制限利率に引直し計算をして、過払金の有無を確認してください。
既に完済した消費者金融業者等からの借入れ(いわゆる「おまとめローン」等で完済したものを含む。)についても、当該業者からも取引履歴を取り寄せた上で、過払金の有無を確認してください。

【否認権に関して】

時期を問わず、第三者に財産を無償又は時価よりも安い価格で譲渡したこと(親族に対する金銭の交付・送金、保険の契約名義の変更、元配偶者に対する財産分与等を含む。)や、第三者への担保提供(物上保証)がないかを確認してください。
債務の支払が難しいと考えるようになった時期以後(特に、受任通知後)に、一部の債権者の債務を弁済したことや、担保権を設定したことがないかを確認してください。
債務の支払が難しいと考えるようになった時期以後(特に、受任通知後)に、預貯金通帳の出金記録の中に、債務の弁済のための出金がないかを確認してください。
債務の支払が難しいと考えるようになった時期以後(特に、受任通知後)に、給与債権の差し押え等の強制執行手続が執られたこと(当該差押えに基づき取立てがされた場合のみならず、勤務先が差押額を供託した場合も含む。)がないかを確認してください。ある場合には、その差押えの時期及び金額を確認してください。
債務の支払が難しいと考えるようになった時期以後(特に、受任通知後)に、所得税、住民税又は保険料以外の名目で給料天引き(勤務先からの借入金の返済のための控除)がされていないかを確認してください。ある場合には、その控除の時期及び控除額を確認してください。
債務の支払が難しいと考えるようになった時期以後(特に、受任通知後)に、第三者に対し財産を譲渡したこと(親族に対する金銭の交付や送金、元配偶者に対する財産分与を含む。)や第三者への担保提供(物上保証)、自己の取得分が法定相続分に満たない遺産分割協議、被相続人の死後後3カ月以上経過した後の相続放棄がないかを確認してください。
その他、何らかの資産(否認権の行使可能性のあるものを含む。)を有していることがないかを確認してください。

該当する場合に提出する書類


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